広島研修4(11月7日)

「いただきま〜す!」
まっすぐな気持ちで歴史に向き合ってきた子どもたちが、いつものはじける笑顔を見せてくれたのが夕食の時間です。今日の献立は、「麻婆丼」をメインに何種類ものバイキングでした。お昼が戦時中を少し体験するためのしげるちゃん弁当でしたから、皆、お腹が空いていたようでたくさん食べました。

その後は「被爆ピアノ」鑑賞と合唱です。「被爆ピアノ」とは、その名の通り投下された原子爆弾によって被爆したピアノです。
「被爆ピアノは、日本にしかありません」
という、調律をした方の言葉に「はっ」としました。そうなんです。日本は唯一の被爆国なんです。広島や長崎で無数のガラス片を浴びたピアノ。命を吹き込まれたそれは、私たちにすてきな音色を聴かせてくれました。子どもたちの聴き入る目がそう物語っていました。
お礼は学校祭で歌った「COSMOS」です。被爆ピアノがそのメロディを奏でてくれ、先ほど演奏と歌を聴かせてくださったお二人がそれをしっかりと聴いてくださり大きな拍手をくださいました。合唱画像をクリックすると動画でご覧いただけます。子どもたちの歌声とともに、被爆ピアノの音色もお聴きください。

思っていたより冷えなかった広島の夜が、子どもたちを温かく包み眠りにつかせてくれました。おやすみなさい。

福祉実践教室(11月7日)

 2年生が広島研修をしているとき、1年生は様々な人を理解するための学習を行っていました。
  午前には「認知症サポーター養成講座」を受けました。弥富市内には、約1000人弱の認知症患者がいると推計されているそうです。認知症について正しい知識を身に付け、中学生が認知症の人と出会ったときに、どんな対応ができるのかを学びました。
  午後からは、弥富市社会福祉協議会の協力を得て「福祉実践教室」を行いました。開講式のあと、「車いす」「手話」「音訳」「点字」「視覚障害者ガイドヘルプ」「高齢者疑似体験」に分かれて、体験しながら勉強しました。それぞれの講座に、真剣に取り組んでいる姿が、印象的でした。
  誰もが認知症になったり障がいをもったりする可能性があります。認知症の人もそうでない人も、障がいのある人もない人も、みんなが笑顔で毎日を送ることができるために、まず偏見をもたないこと、そして出会ったときに何か手助けが必要かどうかを聞き、必要な手助けが当たり前にできる大人に育って欲しいと思いました。
認知症サポーター 音訳
高齢者疑似 車いす

広島研修3(11月7日)

「黙とう」
広島平和記念公園に降り立った子どもたちは、最初に「原爆の子の像」の前に向かいました。手にはみんなで折った千羽鶴が。その中には保護者の方に折っていただいたものも入っています。そんな思いのこもった鶴を代表の子がそっと献呈しました。そして、代表の子が打ち鳴らす鐘の音が響く中、黙とうをささげました。ほんのわずかな時間でしたが、静寂が公園内、そして子どもたちの心の中に広がりました。
その後、12のグループに分かれ、それぞれにガイドボランティアの方について、公園内を案内していただきました。どの場所にも歴史があり、そこから立ち上がった願いがありました。子どもたちは、そんなガイドさんの言葉にしっかり耳を傾け、メモをとっていました。
平和記念公園での最後は、実際に被爆された中西巖さんからお話をうかがう時間です。中西さんは1945年8月6日、広島の中心地から少し離れた所にみえ、翌日に親戚を探しに市内に入り被爆されたそうです。
「話すのは勘弁してもらいたい」
と切り出した中西さん。その理由を語り始められました。
「なぜなら、多くの人が亡くなっているのに自分は生き残りました。申し訳ない気持ちがあります。でも、そのことを伝えていかなくてはならないという思いで話をさせていただきます」
と。当時の映像を映し出しながら話されるその内容は、本で読むよりもテレビで観るよりも、鮮明に、そして重く届きました。

「終戦。恥ずかしいけどうれしかった」
と話を終えられた中西さんの言葉は、きっと当時は口に出すことも許されなかったことでしょう。しかし、この言葉に、一歩を踏み出した力強さを感じました。
「くり返してはいけない歴史を後世に伝えていきたいと思います」
中西さんに、誓いを込めたお礼を述べ平和記念公園を後にしました。

広島研修2(11月7日)


去年のオリエンテーション合宿とは違い、やや緊張感をもった出発式を終えた子どもたちは新幹線で、一路、広島へ。修学旅行ならおやつを食べながら過ごす車内ですが、広島研修は「研修」を最大の目的としていますので、静かに過ごします。読書をする子や朝が早かったから目をつむる子もいます。乗ること2時間ちょっとで、目的地の広島に着きました。

お昼前ということで、すぐにお弁当が配られました。配られたのは、小さなパックに入った豆ご飯。少し塩味がついています。それに切り干しだいこん少し添えられていました。これが「しげるちゃん弁当」です。中学1年生で被爆した折免滋(おりめん しげる)さんが持っていた弁当を再現したものと言われています。お母さんが作ってくれたお弁当を食べることなく亡くなったしげるさん、その思いを子どもたちはどう感じてくれたでしょうか。

広島研修1(11月7日)

  まだ朝が明けきらない中、たくさんの車が南駐車場に進んでいきます。本校の2年生の生徒が、今日から一泊二日の広島研修に出かけていきました。
 弥富市が、中学生の多感な時期に、広島での平和学習を通して、「戦争について」「核について」「平和について」考え欲しいと願い、実施し始めて今年で7年目を迎えます。
  今日は平和記念公園ボでガイドランティアさんに話を聞きながら、折り鶴の献呈をしつつ「原爆ドーム」や「平和の灯」などの見学をします。その後平和記念資料館で、被爆体験講話を聞きます。宿泊場所の江田島青少年交流の家へ移動し、そこでは被爆ピアノの演奏会と講話を聞きます。
  明日は、平和記念資料館を見学します。
  慌ただしい2日間ですが、しっかり被爆地の広島で実際に見聞きし、原爆、戦争、平和について考えを深めてきて欲しいと思います。
  出発式を終えて、元気に学校を出発していきました。
出発式1 バスで出発