『いのちのはな』(2月21日)

3年生が公立高校推薦受検のための出願に出かけた午後、他の学年の授業を見にいきました。そんな中で、足を止め、扉を開けて教室の中へ入り、結局最後まで観てしまった授業があります。
その教室は、すべての机が教室の後ろに下げてあり、子どもたちは椅子だけを持って、黒板の前に半円状に座っていました。そして、その円の中心にあったのが一冊の絵本でした。タイトルは「いのちのはな」。小学校ではよく見る光景ですが、中学校ではあまり見ることはありません。でも、子どもたちは担任の先生の読むその絵本を前のめりになって聞いていました。
 
かんたろうが育てることになったチューリップの球根「プー」。でも、かんたろうは次の日から入院をしてしまい、プーは水をもらうことができません。「かんたろうも(病気と闘って)がんばっているんだから」と必至に根っこを伸ばしますが、風で鉢が倒れたり、他の花たちにひどい言葉を投げかけられたりして、心が折れそうになります。でも、
「あたしだって さいてみたい。
 キレイだって いわれたい。
 がんばっているのに きづいてほしい。
 だって まだ いきているんだもん!!」
と涙を流しながら叫びます。
 
間もなく3年生になろうとするこの子たちは、絵本から何を感じてくれるのか。それが知りたくて授業の終わりを告げるチャイムを一緒に聞きました。