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それはちょうど1か月前のことです。いつもは明るい日差しが差し込む3階の美術室が真っ暗になり、そこにほのかな明かりが灯ったり消えたりしていました。のぞいてみると、白い紙をくしゃくしゃにして、それをゆっくり広げていました。そして、さらにそこに懐中電灯の光を当てていました。実はこれは、教室を洞窟に見立てて、人類最初の絵画である「壁画を作ろう」という授業でした。紙の折りじわはもちろん、光の当たり具合によっても、鳥に見えたり動物に見えたり、中には謎の物体が浮かび上がったりと、子どもたちの想像力がかき立てられた時間でした。
その後、色をつけ「壁画」を作り上げてきました。そして今日は、いよいよその鑑賞会です。まず自分の作品の見どころや工夫した点をアピールし、班でそれを見合います。「へぇ」「すごいなぁ」と思ったところを互いに出し合うと、照れながらもうれしそうで、そこに新たな気づきもありました。後半は全体で鑑賞します。教室をぐるぐる歩きながら友達の「壁画」を見て回りました。
授業の切り口やアプローチの仕方を少し工夫したことで、子どもたちのもっている意欲や能力がぐっと引き出されたように思います。
「○○おろし」という言葉が全国各地にあります。有名なところでは、野球の阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」を思い浮かべる方も多いと思います。そして、この地方でも「鈴鹿おろし」「伊吹おろし」などをよく耳にする季節になりました。山から吹き降ろす風をそう呼ぶわけですが、途中にさえぎる地形や建物がないとそれはかなり遠くまで届き、ここ弥富にも伊吹おろしが吹き、寒さを増大させています。
寒さだけではなく、最後まで木々にしがみついていた葉もその北風に吹き飛ばされて、今は枝だけになっています。
と、そう思っていました。しかし、校舎の窓からふと見るとたくさんの葉がついているではありませんか!?「あれ、確か葉は全部落ちたはずだけど…」と近くへ行って見てみると、
「チュンチュン」
という鳴き声が。葉だと思っていたのはスズメの群れだったのです。田にあった稲の切り株から短く伸びた稲がわずかながら穂をつけ、それをついばみに寄ってきて、時折、こうやって木の枝に留まって羽を休めているようです。
しかし学校の周りの田の切り株も、トラクターで耕されつつあります。スズメたちはそんな様子をどう見ているのでしょうか。
12月に入ったとたん寒さが増してきましたが、今日の弥富中はひと足先にお正月や春の雰囲気でした。その理由は「琴の音色」です。2階の多目的室に35面の琴がずらっと並べられていました。愛西市で琴の教室をしてみえる長谷川先生による琴の授業です。
音楽の授業に「和楽器」を学ぶところがありますが、どこの学校もそれをどう行うかでかなり苦労しています。新たに太鼓や琴を買った学校もあると聞きます。中にはその予算がなく、DVDで映像や演奏を鑑賞してその授業とするところもあるようです。しかし、それでは日本古来から伝わる和楽器のよさやその音色の心地よさは分かりません。楽器の数が少なければそれに触れる時間もごくわずかとなってしまいます。
そこで、弥富中学校は昨年から長谷川先生にお越しいただくことにしました。長谷川先生は教室で使ってみえる琴(ミニ琴)を子どもの数だけお持ちくださるので、子どもたちは2時間の授業の間、ずっと琴に触れることができます。
爪を付け、弦を弾くところから教えていただき、授業の最後には「さくら」の合奏ができるまでになりました。多目的室にいる子たちはもちろん、そこから聞こえる音色でとても穏やかな気持ちになれた一日でした。(写真をクリックすると子どもたちの演奏をお聴きいただけます。どちらの画像も同じ動画です)
12月4日(月)から10日(日)までは人権週間です。今でこそ「人権」という言葉をよく耳にするようになりましたが、まだまだ日本は人権についての意識が他の国ほど高くないのが現状です。だからこそ、こういう機会に身の回りにある人権について考えました。
朝礼の後、人権担当の先生が、自身がアフリカで経験した「マイノリティ」としての差別を、写真を交えて語ってくれました。アフリカへ行けば、日本人はもちろんアジア系の人は“少数派”となり、奇異な目で見られたそうです。その目を私たちは日本国内で知らず知らずのうちにしていないでしょうか。
そんな一例を知った子どもたちは、教室へ戻り、今度は同じ中学生が書いた作文「全国中学生人権作文コンテスト」を題材に、さまざまな角度から人権について考えました。
【1年生】「きれいな心のままで」
【2年生】「真の国際化に向けて」
【3年生】「手伝えることはありますか」
自分と同じ学年の子が書いた作文ですので、共感できる部分も多くあったようで、子どもたちは真剣に読み、プリントに感想を書いていました。
人権は特別なことでもなんでもなく、日常の身近なところにその事例はたくさんあります。それに気づくだけでも大きな一歩だと思いますし、自分にできることを少し行動に表すだけでも世の中はずいぶん変わるのではないかと思います。
「シューッ!!」
6時間目、2年F組の教室から不思議な音が聞こえてくるではありませんか。
理科の授業中、ペットボトルを使った実験をしていました。
ペットボトルのふたに付いているポンプを繰り返し押していくと、ペットボトル内に空気が入り、気圧が上がっていきます。一定の所まで押してから、ふたを開けると、ペットボトル内の空気が抜け、気圧が一気に下がります。ペットボトル内が曇り、ペットボトル内に雲が発生したことがわかります。
あの音は、空気が抜け、気圧が一気に下がるときに聞こえる音だったのです。
今日は「くものでき方」を知る実験のようです。
教員が実験を見せた後、生徒は代わる代わるペットボトルを使って実験をしました。
「おー!」
雲ができる度に目をキラキラさせていました。
外は、灰色の雲が学校の上空を覆っています。ペットボトルの中で起こった現象が、自分たちが過ごしている上空で起こっている。当たり前に起きる現象について、自分の目の前で見た現象と同じであることが実感できたと思います。
体育館から、
「面!」
「すね!」
の声が聞こえてきます。今年もなぎなたの授業が始まりました。なぎなたは平成6年の「わかしゃち国体」で弥富市(当時は弥富町)がなぎなた会場になったことをきっかけに市民スポーツとして取り入れられ、学校の部活動や体育の授業に組み込まれました。体育の先生も研修会に出かけていますが、市からも講師の先生を派遣していただきその指導を受けています。
そんな体育館の声を遠くに聞きながら、北校舎を歩いていると、調理室からはよい匂いが、木工室からは小気味よいかなづちの音が聞こえてきます。
調理室では3年生が乳児のための「離乳食」を作っていました。米粉を練ってそこにじゃこをすりつぶして入れて焼くというものです。歯がまだ生えていない乳児に栄養価の高いものを、という意図で考えました。
木工室では1年生が、1枚の板を設計図(製図」通りに切り、それを組み立てて本立てを作っていました。部材をカットする段階は終え、今日は、それを釘で打つ作業や、側面の板に糸のこ盤で細工を入れていました。
かつて、男子が技術科、女子が家庭科と別々に行っていたのは遠い昔のことで、今はともに男女共修です。将来、家庭をもった時にお互いが助け合うというねらいもこめられており、授業も互いに教え合う様子も見られほほえましい時間でした。
今日の午後、十四山スポーツセンターの第2アリーナで、弥富市小中学校PTA連絡協議会の「秋季研修会」が行われました。
開会行事では、来賓の服部彰文市長と奥山巧教育長からごあいさつをいただき、後半は岐阜大学地域科学部地域文化学科、岐阜大学大学院地域科学研究科の教授の近藤眞庸(こんどう まさのぶ)先生をお招きし、「試して、なるほど!ルーティンで自己肯定感UP学力もUP」と言う演題で講演をいただきました。
近藤先生の幼少からの体験談を元に、軽快な語り口でユーモアたっぷりの講演会でした。「朝すっきりうんちをだすために」という課題に対して、①前の晩8時以降は食べない ②朝起きたらからだを動かす ③20分ほどかけてゆっくり朝食を食べる ④出かける1時間前に起きる という研究結果を出し、このルーティンで行動することで安心して生活でき、自己肯定感を高めたお話を皮切りに、様々な経験の中で、「同じ時間やタイミングで決まった行動をすることの大切さを話されました。
特に心に残ったのは、学力や記憶力を上げるためには快眠がとても大切であることです。そのために、きちんと覚えたいことは寝る前に復習すること、スマホなどのブルーライトは就寝時刻1時間前にシャットアウトすること、食事は寝る2時間前に済ませることなど、たくさんのヒントをいただきました。
今日の講演の資料を参考に、みなさんもルーティンを意識して、ご自身の生活や子育てに活かしてみてはいかがでしょう!秋季大会資料