まず、命を守る(10月20日)

11時50分。職員室に設置してる警報機からかん高い警告音がしました。緊急地震速報です。弥富市は各学校にそれが配備され、校舎内外にその音が鳴り響くようになっています。
子どもたちにとっては今年になって2度目です。1学期の終業式の直前にその音を聞いています。それもあって、子どもたちの避難行動はずばらしいものでした。体育の授業をしていた子は、建物から離れたところにかたまってしゃがみ、移動中の子たちは、持っていた教科書やファイルなどで頭をおおいました。それぞれの教室でも机の下にもぐり、“自分の命は自分で守る”という最初の行動をとることができました。
ほどなくして、職員室から、
「先ほどの緊急地震速報は、関東地方で起きた地震によるもののようです。しかし、今後余震がこちらで起きることも考えられますので、十分に気をつけて行動してください」
と、避難を解除する放送を入れると、安堵の声があちらこちらから聞こえました。
 
来月2日には、弥富中周辺の、大藤保育園・はばたき幼稚園・大藤小学校の子たちが弥富中に避難し、弥富中の校舎3階に避難するという合同避難訓練を計画しています。いざという時に適切な行動がとれるかは、こうした日常の積み重ねが大切だと痛感しました。
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積み重ねが(10月19日)

子どもたちが両腕にどっさりと問題集を抱え、職員室へやってきます。
「失礼します」
「ありがとう。ひとまず、そこへおいといて」
教科担任とこんなやり取りが行われるたびに、職員室の入口付近の長机にいくつもの問題集の山ができあがりました。
今日で中間テストが終わりました。前期の通知表を手にしてからまだ日も浅いということで、それを見たときの反省をこのテストにぶつけてきた人も多かったとます。その一つの表れがこの問題集の山です。くずれないようにそっと置かれたそれは、
「こつこつとがんばったぞ!」
ととても誇らしげに見えました。
 

後期委員会委員長選挙(10月14日)

2週間前の後期生徒会役員選挙に続き、今日は委員会委員長選挙が行われました。部活動と同じように、3年生は退き、被選挙権は1・2年生です。壇上に上がった候補者は、それぞれ自分の委員会活動に対する思いを語り、清き一票を呼びかけました。その誰もが原稿をまったく見ることなく、堂々と演説していたことに驚き、そして頼もしく思いました。
 
そして、その演説を一番しっかりとした姿勢で聴いていたのが3年生でした。もちろん、1年生は「すごいなぁ」というまなざしで聴いていましたし、2年生は同じ学年として「がんばれ!」という思いで見つめていました。しかし、それ以上に、背筋をピンと伸ばしてまっすぐに候補者を見据え、そのひと言ひと言を聴いていた3年生の姿に、「たのんだぞ、この弥富中を」という強い思いを感じました。学校祭もそうでしたが、こうやって先輩から後輩へその思いが受け継がれていくんだと感じた時間でした。

芸術鑑賞会(10月11日)

生の芸術にふれる。それは多感なこの時期にとても重要なことです。市からも補助金をいただき、毎年「芸術鑑賞会」を開催しており、今日がその日でした。今年、来ていただいたのは「陽影月-HIKAGETSU-」というユニットです。三味線奏者の兄弟の和の音色と、ピアノの洋の音色との融合です。
三味線の中でも津軽三味線は力強く弾くことで知られていますが、今日の演奏はその予想をはるかに越えたものでした。ピアノもクラシック出身の方とは思えないほどの力強さで、子どもたちはぐいぐいとその演奏に引き込まれていきました。後で聞いた話ですが、最後の演奏で三味線の弦が切れたそうです。それほど熱い演奏でした。オリジナル曲の合間に織り込まれるカバー曲では、子どもたちがよく耳にする「地上の星」「千本桜」「海の声」「情熱大陸」などもあり、手拍子が三味線・ピアノの音色とともに体育館に響き、あっという間の90分間でした。
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前期通知表を渡しました(10月7日)

6時間目。おなかもふくれた午後の授業。いつもなら、睡魔に襲われそうになる子や気持ちがもう部活動にいっている子などがだんだん多くなる時間帯です。
 
しかし、今日は3学年ともピリッとした緊張感が漂っていました。それもそのはず、今日は前期の通知表を渡される日です。授業時間数の多い5教科(国・社・数・理・英)は夏休みにその課題を克服してほしいというねらいもあり、1学期に伝えました。しかし、他の4教科(音・美・体・技家)については1学期には十分な評価材料がないこともあり、半期ごとに評価をつけています。今日、子どもたちが手にした通知表は、それらがすべて入ったものです。さぁ、どうだったでしょうか。教室を回りながら、
「どうだった?」
「予想どおりだった?」
と声をかけると、ニヤッと笑ったり、ぐっと胸をはったりと、そのリアクションは人それぞれでした。
「ここがちょっと…」
と答えた子に、
「なぜ、そうだったか、原因は分かるの?」
と尋ねると、
「はい」
と答えてくれました。
 
それでいいんです。通知表はそのこの価値を決めるものではありません。その子のがんばったところを評価し、がんばれなかったところを明らかにする(本人や保護者に伝える)ことで、次へのスタートを切るためのものですから。このままのペースでいいのか、ちょっとペースアップをしなくてはいけないのか。通知表を見て一人一人が考える機会としてほしいものです。