職員室後方で大きなダンボールを広げていたのは、美術部の顧問でした。見ていると、何枚かの絵を梱包しています。
「展覧会へ出すの?」
「はい、『学展』へ出品するんです」
そういえば、先日の部活動壮行会でステージに上がった美術部の子たちが、「『学展』に向けて、今、作品をつくっています」と言っていました。
そんな様子を目にした他の職員も次々に集まってきて、
「え、これ、なに、すっごくうまいじゃん!」
「私、この絵、好きだなぁ」
「きっと、近くより、こうやって遠くから見るとステキなんだよ、この絵」
と、さながら即席のギャラリーと化しました。運動部と違って、日頃、なかなかその活動を目にする機会が少ないので、子どもたちの作品のすばらしさに引き込まれていました。中には、キャンバスの裏に書いてある名前を見て、
「えっ!これ、○○が描いたの!?」
と驚きの声も。授業で見る姿と違う新鮮な発見もありました。
「学展」は、1950年、創始者の西田信一氏らによって、日本ではじめての学生油絵コンクールとして始まり、以後、毎年欠かさず開催され続け、今年で67回目を迎える伝統ある展覧会です。今年は8月1日(火)~4日(金)に東京都足立区の「シアター1010」で開催されます。
美術部の夏は、東京をアツくします!