熊本は夜中に雷を伴う強い雨が降りましたが、朝にはそれもあがり、「最高気温予想35℃」という青空でした。
今日のトラック競技の最初の種目は高嶋くんの出場する1500m予選です。ですから、朝一番で会場入りし、入念なアップをして臨みました。800mで転倒した影響はなさそうです。
1500mは800mと違い、最初からオープンコースです。ものおじすることなく、しっかりとスタートラインに立つ姿が確認できました。スタート!中盤から後方に位置しています。やや上体がいつもより揺れているように見えますが、足の動きは大丈夫そうです。しかし、徐々に順位を下げていきます。しかし、いつものレース運びがそうですので、そんなに心配はしていません。ラスト1周を告げる鐘が鳴りました。その時は最後尾。もちろん、いつものようにスパートをかけ追い上げます。しかし、ここは、全国の舞台。なかなかその前をとらえられません。二人を抜いたところでゴールしましたが、残念ながら決勝に進むことはかないませんでした。
走り終えた高嶋くんとしばらく話すことができました。最初に出てきた言葉が、
「やっぱり最初から先頭についていかないとダメですね。それが分かりました」
でした。そして、
「今度は日産スタジアム(横浜)であるんで、その時はそうします」
とも。彼の目はもう前を見ていました。そして、そのために自分がどうすべきかを、この大会でつかんだように感じました。
彼が駆け抜けた熊本は阿蘇山を擁し「火の国」と呼ばれています。
「今夜もう一泊して、明日は熊本観光をします」
とあどけなく笑うメガネの奥に、マグマのように燃える闘志を見ました。