生徒の声で(6月5日)

5月17日。生徒会執行部の5人が、校長室のドアをノックしました。緊張した表情で、
「修学旅行の写真について私たちの思いを聞いていただきたくて来ました」
と切り出しました。
 
修学旅行は中学校の数多くある行事の中でも、特に思い出深い、子どもたちも楽しみにしている行事です。しかし、弥富中学校はここしばらく、その写真を子どもたちに販売していませんでした。かつてはしていたようですが、なんらかの理由でそうなり、今もそうしています。
3年生の中で、修学旅行のことが話題になり始めた頃から、生徒会執行部の子たちのところに、「カメラ、持っていけるように言ってよ」「他の中学校は持ってってるよ」という声が届きだしたようです。そこで、執行部の子たちが、その声を届けに来てくれたわけです。
この日の要望は「自分のデジカメを持たせてほしい」というものでした。
「持っていない子はどうするの?」
「撮ったその写真がSNSで流れることが心配です」
という声が、同席した3学年の主任の先生たちから出ました。また、
「カメラで写真を撮りたいのか、写真がほしいのか、どっちなの?」
「どれくらいの人が、そう思っているのか数が知りたいです」
とも。この日の話し合いは、そんな質問をもってかえってもらいました。
そして、それから2週間。執行部の子たちは、学年のみんなにアンケートをとりました。デジカメを持っていない子のこと、それがSNSで拡散するリスクのことなどを真剣に話し合ってくれたそうです。そして、先週30日に修正案をもってきました。その姿は、どこか自信に満ちていました。自分たちなりに課題をクリアしたという思い、そして、多くの子の声が背中を押してくれたことが、そうさせたのでしょうか。
生徒会も先生たちも意見を交わし合い、
○学習であるクラス分散の時は、デジカメを班に1台貸し出す。
 ただし、これは販売はしない。
○修学旅行期間中の写真は写真屋さんと先生が撮ったものを販売する。
としました。今日、それを3年生に伝えました。
 
100点満点の回答ではなかったかもしれませんが、自分たちの声を集め、行動を起こすことで、学校が変わるということを証明してくれた“歴史的な一歩”だと思います。
そして、この一歩は今年だけのものではなく、来年にも再来年にもつながる一歩です。こうした生徒会活動が脈々とつながっていくことを期待しています。