今日は、どこの学年も同じ教材で道徳を行う「全校一斉道徳」に取り組みました。国語や数学など他の教科は、学年のつながり・系統性もあり、1年生で学習したことに2年生で積み上げ、そこにさらに3年生を積み上げるという流れで行いますが、道徳は必ずしもそうではなく、同じ教材を違う学年で行うことも可能です。学年が違えば考えも違います。生活経験の違います。ですから、同じ教材を提示しても、そこから感じること考えることは、広がりも深まりも違うものとなることがよくあります。それが道徳のおもしろさでもあります。
今日、どこのクラスでも行ったのは「電池の切れるまで」というものでした。それは、悪性腫瘍で短い生涯を閉じた「ゆきなちゃん」の話でした。それを読んだ後「命」という詩を読み、一人一人が命について考えました。
そして、午後。中学1年生の娘をある日突然、交通事故で失った経験をおもちの佐藤逸代さんをお招きして、「命を大切にする教室」を体育館で行いました。子どもたちは流れる汗をぬぐうことも忘れ、じっとその話を聞き入っていました。大切な娘を失った悲しみ、そして、その現実を受け入れることができずにいた時間。経験された方のひとつひとつの言葉はとても重く子どもたちの心に響きました。
「なくなった命からは、何も生まれない。生きている命は次の命を生み、つながっていく」
「命」。とても重い、でも、とても大切なテーマを真正面から子どもたちに問いかけてみました。今日すぐに答えが出るとは思っていません。講師の佐藤さんも、「今、こうして話ができるようになるまで何年もかかりました」とおっしゃってみえたほどですから。でも、子どもたちの心のすみっこに「命」という一文字が刻まれたことは間違いないと思います。