部活動での子どもたちのがんばりは、学校内のそれに匹敵するくらいたくさんあります。日々の練習はもちろん、さまざまな大会での活躍など、そのすべてをお伝えしたいくらいです。しかし、そのすべてに応援に行くことも難しいため、ホームページでの紹介は、中小体連を中心に行ってきました。文化部についてはそれに準じたものを取り上げてきました。しかし、それはこちらが決めた線引きであって、子どもたちにとっては連盟や協会の大会も同じで全力でそれに臨んでいます。
今日は、あえてその大会を紹介したいと思います。なぜかというと、二日続けて、心揺さぶられる試合をしてくれたからです。その大会は「愛知県中学選抜軟式野球交流大会」というもので、中学校だけではなくクラブチームも出場するもので、それゆえにレベルも高い大会です。その大会に西尾張地区代表として弥富中が出場しています。
昨日の1回戦。相手は三河の西尾中です。終始押し気味でしたがあと一本が出ず、7回を終えた時点で0対0で特別ルールへ。特別ルールとは、ノーアウト満塁から攻撃をするというものです。先行の弥富中は得点を奪えず、絶対絶命のピンチ。しかし、相手のランナーを刺すなど落ち着いたプレーで無得点に抑えます。特別ルールでも決着がつかない時は抽選だそうです。9人がそれぞれ封筒を引き、その中に「◯」が付いているものの数で勝敗を決めます。審判の声に耳を澄ませました。
「6対3」
その瞬間、弥富中の子の腕が高々と挙がりました!
そんな勝利から一夜明けた今日は、会場を刈谷球場に移しての準々決勝です。相手は藤岡クラブ。今年、多くの制約を受けている部活動とは違うクラブチームです。
相手は二人のピッチャーを擁する好チーム。しかし、弥富中も3人のタイプの違うピッチャーをつないで勝ち上がり、投手力では引けを取りません。行き詰まる投手戦は、またも特別ルールへ。
今日は弥富中は後攻です。昨日と同じように塁上のランナーを刺し得点を与えませんでした。そして、弥富中の攻撃。フライが二つ続き、誰もが「また抽選か」と頭をよぎったその時、8番バッターの蒔田くんのバットがボールを捕えました!そして、そのボールはレフトが必死に伸ばしたグラブの上を越えました!サヨナラヒット!サードランナーが踊るようにホームベースを踏み、ベンチから仲間が総出で蒔田くんを迎えます。
多くの制約の中で、一人一人が意識を高くもって練習に臨み、相手に一点も与えることなく守りきった勝利です。そして、昨日に続いての全員野球での勝利でした。
スタンドで応援をしてくださった方々が一人もいなくなり、スコアボートのチーム表示も消えたても、チームみんなが手分けして、グランド整備やベンチの掃きそうじをしていた弥富中野球部の子たち。最後にベンチ前に整列し、
「ありがとうございました!」
来週、準決勝、そして決勝戦に臨みます。