「緊急地震速報、緊急地震速報」
8時50分。突然、アナウンスが流れました。8時55分から始まる終業式のために、約3分の2のクラスがもうすでに体育館に入り、残りのクラスが渡り廊下を歩いている時でした。
時間が止まったような瞬間があり、子どもたちは今の状況を把握するためにきょろきょろとしました。しかし、誰一人として口を開く者はいません。すぐに、その場に腰をおろし、頭を抱える姿勢をとりました。引率してきた担任も、子どもたちの様子を見ながら同じようにしゃがみました。どれだけその姿勢をとっていたでしょうか。きっとそんなに長くはなかったと思いますが、気分的には長く感じました。
「先ほどの緊急地震速報は、東北地方で起きた地震のものでしたので、このあたりではありません」
というアナウンスが流れ、ふぅっと大きく息を吐きました。
とっさのことでしたが、子どもたちのとった落ち着いた行動、自分の身を守る行動、それができたことを大変うれしく思い、その後の終業式の話の中でもふれさせてもらいました。後で、市教委より、「気象庁が流す電波をこの地方へも流してしまったため」という説明がありましたが、よい訓練になったと思っています。