校長式辞
冬の寒さも日増しに和らぎ、校庭の木々にも春の訪れが感じられるこの佳き日に、弥富市立弥富中学校第六十四回卒業式を迎える205名の皆さん、卒業おめでとうございます。心からお祝いの言葉を贈ります。 卒業生の皆さん、この三年間、本当によく頑張りました。
とりわけ昨年と今年度は、制限された学校生活の中で、戸惑いや悔しさが多くあったと思いますが、先生方の指導・助言を素直に受け止め、決められたルールをきちんと守り、しっかり最後までやり遂げることができました。
卒業証書には、皆さんの弥富中学校での三年間の歩みと努力がいっぱい詰まっています。また、ご家族の方々や先生方の限りない愛情が込められています。
今までお世話になった方々や、皆さんを支えてくださった方々への感謝の気持ちを、いつまでも忘れないでください。
保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。
三年間にわたり、本校の教育活動に対しまして、深いご理解と温かいご支援をいただき、ありがとうございました。三年前の入学式では、小学校を卒業し、まだあどけなさの残る表情で入学式を迎えたお子様たちは、心身ともにたくましく成長し、今、立派に卒業式に臨んでおります。
いろいろお力添えいただきましたことに、厚くお礼申し上げますとともに、お子様たちがさらにたくましく、心豊かに成長されますよう、これからもしっかり見守り、ご支援をいただきますようお願いいたします。
さて、卒業生の皆さん、あなたたちは本日をもって義務教育九年間の課程を終え、本日の卒業式は、新たな人生のスタートを切る、人生の大切な一つの節目であるといえます。
卒業する皆さんへ、これからの人生で大切にしてほしいことを二つお話しします。
一つ目は「迷った時には、より厳しい、より険しい道を選んでほしい」ということです。
人生百年と言われる皆さんの人生はまだ始まったばかりです。これからの人生には、大きな荒波、すなわち様々な難題や悩み事が訪れます。そんな時、歩きやすい道を選択した時には、あまり学ぶことはありません。より厳しい、そしてより険しい道を選択した時こそ、つまずきながらもいろいろなことを学び工夫し、人の温かさやぬくもりにふれることができます。そして、その時こそ人間としての幅が広がり、深まっていくものです。
弥富中学校で仲間と共に学び、体験したことを基にこれからの人生を大いに楽しみ、乗り切っていってほしいと思います。
二つ目は、「常に感謝する気持ちを忘れない人になってほしい」ということです。
本日卒業証書を手にすることができたのは、皆さん一人ひとりの努力やがんばりがあったことはもちろんですが、その陰には多くの人のお力添えや愛情があったことは理解できると思います。多くの人の援助があってはじめて一人前の大人に成長できるのです。今しばらくは、大いにその援助を受け、活用し力を蓄えてください。これから続く長い人生の中で、多くの人と関わり、様々な人たちから有形、無形の恩恵を受けて、皆さんは成長し、生き続けていくわけです。しかし、それを当然のことと考えるような人にだけはなってほしくはありません。どうか、感謝する気持ちを大切にして成長し続けてほしいと思います。
今年二月、北京オリンピックが開催され、日本人の多くが日本人選手の活躍に興奮や感動を味わいました。メダルを獲った選手、残念ながらメダルを獲れなかった選手も、オリンピックに出場したいという目的をもって練習し、夢を実現されました。そして、多くの日本人選手は、試合後のインタビュー中で「色々な人に支えられてここまできました。本当に感謝しています。」と口々に言っていました。メダルを取ったことやオリンピックに出場したことに、おごらず感謝の気持ちをもち続けることでさらに人は成長できると思います。
最後に、卒業生の皆さん、今日この式が終わり、お父さんやお母さん、支えてくださった家族の人に会ったとき「ありがとう」の一言をお願いします。照れくさくて言えない人は、心の中でつぶやいてください。
小さい頃から、君たちの成長を祈り、見守り、支えてこられたのは、お父さんやお母さん、家族の皆さんです。雨の日も、風の日も、暑い夏も、寒い冬も、君たちの笑顔を喜び、ふさぎ込んでいたら心を痛め、ひたすら君たちの成長を願い、この日を心待ちにしてこられました。本当に心をこめて「ありがとう」を言ってほしいと思います。
それでは、卒業生の皆さん、感謝の気持ちを忘れず、前向きに努力し続けてほしいと思います。
人生の限りない未来へ向かってチャレンジする205名の皆さんの旅立ちをお祝いするとともに、健康と今後の健闘を心からお祈りして、式辞といたします。
令和四年三月三日
弥富市立弥富中学校長
村 井 清 彦