緊張した面持ちで入った部屋には大きなテーブルがありました。そしてその周りに置かれているソファに腰を下ろして待つこと数分。ドアが開いて市長さんが入ってみえました。ドキドキしながら立って頭を下げると優しい声で、
「おめでとう、すごいね」
と言ってくださいました。
3年生の伊藤琢真くんが、「北方領土に関する全国スピーチコンテスト全国大会」に出場することが決まり、その表敬訪問に出かけました。夏に「北方領土を考える中学生のつどい」に出かけたことがきっかけで関心をもち、その後に書いた作文が見事、全国大会へ駒を進めたのです。大会本部から送られてきた資料によると、全国大会へ出場できるのはわずか10人で、6782の作文の中から選ばれたそうです。そして、さらに全国大会はその作文をもとにスピーチをするというものです。
今日の表敬訪問でも、市長様から、北方領土はもちろん、日本を取り巻く国境をめぐる問題や歴史問題まで、難しい話題をいくつも振られましたが、それらにひとつひとつしっかりと答えていました。
大会は今週の土曜日に東京で行われます。ぜひ、堂々と自分の考えを述べてきてほしいものです。
全国スピーチコンテスト出場!(2月19日)
一番大事な時間(2月19日)
机の上には赤のボールペンだけで、その他の筆記具は出されていないこの時間が、実は一番大事な時間なんです。
今日は、朝からどこのクラスもどの時間も、先週行われた「学年末テスト」や「卒業テスト」の返却が行われました。出席番号順に名前を呼ばれ、一人一人にテストが返されます。緊張の一瞬です。もちろん、真っ先に目がいくのは点数です。これは仕方がないことでしょう。しかし、ここからは人によって違いがあり、その違いこそが、これからを大きく左右するのです。
テスト返却のねらいは、もちろん、○や×のつけ間違いや点数の数え間違いを確認することもありますが、もっと大事なことは、多くの子が間違えた問題や重要な問題をあらためて考えることにあります。
「ここに補助線を入れると…」
「これは絶対に忘れてはいけない重要語句ですよ」
「問題集に似た問題があったと思うけど、入試でもよく出る問題です」
と、全部をすることはできませんが、“これだけは”という問題をピックアップして詳しく解説をします。この時に、問題や解答用紙を裏向けていては、自分がどこでどう間違ったか分析をすることができません。もちろん、今回のテストの点数に変わりはありませんが、次のテストでは必ずその違いは生まれます。大事にしてください。
私学・専修一般入試最終日(2月9日)
北陸では記録的な大雪になり、今日から始まる平昌オリンピック会場はマイナス20℃にもなるなど、立春は過ぎても厳しい寒さが続いていますが、少なくともこの地区では天候に恵まれた3日間でした。きっと毎日天気予報をチェックしていた3年生、そしてその保護者の方々もほっと胸をなでおろされたことと思います。
今日は、地元の黎明高校の入試日なので様子を見てきました。弥富中の子には会えませんでしたが、他校の子を見ていると、どの子も緊張した様子で「入学試験会場」と大きく書かれた看板の脇を足早に通り過ぎていきました。
午後になると、試験を終えた子たちから終了報告の電話が入ってきます。
「どうだった?」
「そうか、そりゃよかったね」
「ゆっくり休むんだよ」
受話器を持つ担任の顔がゆるみました。
この3日間、大きなトラブルもなく入試を終えることができました。子どもたち自身の自覚もさることながら、これもご家庭でのお支えがあったからこそだと思います。ありがとうございました。
試験の子の分も(2月7日)
そんな教室を歩いていると、1階の方から歌声が聞こえてきます。「音楽にしてはよく聞こえるな…」と思い行ってみると、廊下には男子が、E組の教室には女子が集まっていました。皆、青色のファイルを手にしています。合唱の練習のようです。
試験で多くの子がいない場合、授業を先に進めることは基本的にしません。卒業テストも近いことですので、問題集やプリントを使っての反復練習が中心となります。しかし、毎時間それでは子どもたちの集中力も続きません。そこで、今月28日(水)に予定されている「3年生を送る会」に向けての合唱練習を先生方が企画してくれました。音楽の時間だけではどれだけ時間があっても足らないので、それを補う意味でもちょうどよい取組だと思います。
入試で抜けている子の分まで、ともに過ごした仲間たちが声を響かせました。明日2日目は86人が、3日目は66人が試験に出かけます。落ち着かない毎日となりますが、友達のことを思いながらの歌声はとてもよいものです。


私学専修一般入試出願(2月2日)
慌しく給食を食べ終えると、荷物をかばんに入れ、時計を何度も見ていました。そして、5分刻みに、担任の先生が、
「はい、次、○○高校へ行く人」
と声をかけます。教室を出たその子たちは、コミュニケーションホールに集まります。そこで、進路担当の先生から、
「はい、これが願書です。落とさないように、気をつけて行くんだよ」
と茶色の封筒を受け取ります。今日は私立高校・専修学校一般入試の出願です。心配された天気も、ここ数日間の中では一番穏やかなよい天気になりました。
あれ、少し緊張した表情の子が。手には小さく幾重にも折りたたんだ紙を握りしめていました。
「どうしたの?」
「昨日、お母さんに、高校への行き方を紙に書いてもらったんです」
「へぇ」
「『曲がってすぐ、右』って(笑)」
と、緊張した中にも、お母さんの愛情を感じて、それが背中を押してくれているようでした。
恵まれた天候、温かい愛情。この子たちは幸せ者です。