朝はそんなでもなかった風が、午後から強く吹き始めました。遠くに見える山は白く雪をたくわえていて、その風はとても冷たく肌を刺すようでした。
そんな風に飛ばされたパンジーの花がたくさん校舎の前に散らばっていました。「いくら風が強くても花びらがちぎれるほどでは…」と思いながら花壇へ行くと、そこには花びらがすべてちぎられた葉っぱだけのパンジーが。いたずら?いえ、実はこれは、栄養をしっかりと苗に蓄えて、たくさんの大きな花を咲かせるための「切り戻し」と呼ばれるものです。まだ咲いている花を摘んでしまうのは気が引けますが、その後のことを考え、“あえて”行ったものです。
そんなパンジーのそばで、3年生の女子が体育の授業をしていました。
「いぇーい!」
元気な声も出ています。しかし、そこはグランドの一番西の端、ハンドボールコートで、容赦なく寒風が吹き付けています。しかし、彼女たちは全員がハーフパンツ姿。体育の先生に聞くと、決してルールではなく自主的にそうしているとのことです。理由は、長ズボンがダサいからだそうです(笑)。無理はしてほしくありませんが、自分の体調と相談した上で、冬でも“あえて”ハーフパンツで走り回る乙女心は、見ていてほほえましく思いました。
きっと春にはパンジーに負けないほどの素敵な花を咲かせることでしょう。