まず、生徒指導の先生から、中学校生活について話をしました。「中学校を卒業すると、高校へ行く人が多いですが、中には働く人もいます。だから、社会に出ても困らないようなルールを身につけるところです」ということで、身だしなみやいくつかのルールについて説明しました。
その後は、教室で、国語や理科、英語などの授業をクラスごとに受けました。教科ごとに先生が違うという中学校の教科担任制が少しイメージできたでしょうか。その後は部活動を見学しました。
びしょ濡れになりながらクラス発表の掲示板を見たところから始まった中学校生活。この子たちの行事はことごとく雨に縁がありました。でも、そんな中でもプラスに考え工夫して過ごしてきた子たちでした。そんな3年間を見てきた空は、これ以上ない最高の天気をプレゼントしてくれました、卒業のお祝いとして。
一人一人の名を呼ぶ担任の声に、しっかりと返事をする姿はもうそれだけで胸を熱くします。各クラスの代表に卒業証書を手渡しました。今年の卒業生は208人で、弥富中学校の卒業生としては、16549号~16756号になります。今年の卒業生は、一人一人がしっかりとした考えをもち、さらにそれがひとつになった時のエネルギーはすばらしいものがありました。そんな思いを式辞に込めました。その思いは、在校生も卒業生も同じだったようです。送辞や答辞にも広島研修や学校祭のことが織り交ぜられていました。式には多くの来賓の方々にもお越しいただき、たくさんのご祝辞をいただきました。子どもたちは幸せ者です。
式をいったん閉じた後、引き続き、弥富中学校の伝統となっている合唱を披露しました。「3年生を送る会」でも歌った『あなたへ』ですが、多くの子が涙を流し、「これはちょっと歌えないかも…」と心配していたのをはね返すような、すばらしい最高の歌声でした。最後の最後まで3年生の子はそのエネルギーを出し切ってくれました。最高の卒業生です。
小学校6年間、そして中学校3年間、子どもたちの体を「食」で支えてくれた給食。それも3年生にとっては、今日が最後となりました。献立は、もちろん「お赤飯」です。今は家でおめでたいことがあると外食に出かけることが多くなりましたが、古くは赤飯を炊いてお祝いをしました。
「いただきま~す!」
言い終わるか終わらないかのうちに、じゃんけんが始まりました。子どもたちの好きなから揚げやデザートの争奪戦です。ずっと毎日繰り広げられてきた光景です。最後だからと気取らずに、いつもの自分たちでいられるもの、この子たちのよさなのかもしれません。いつもの班で食べるクラス、最後ということで自由に席を替わってもよいと言われたクラス、さまざまでしたが、どこもいつもの楽しい給食の光景でした。
PTA行事のひとつに「給食試食会」があります。そのねらいは、子どもたちが普段、どんな給食を食べているかを知るためですが、それ以上に、参加された保護者の方の感想をうかがうと、
「何年かぶりの給食で、とてもなつかしくおいしかったです」
という声が返ってきます。これからそれぞれの道へ進む3年生の子たち。そのほとんどが給食ではないところです。その時にきっと、今日の味とともに、自分たちのために毎日おいしい給食をつくってくださった調理員さんたちのことを思い出すことでしょう。
「9年間、ごちそうさまでした」