午後、突然の来客がありました。
「実は、私はここの卒業生で、今年、古希を迎えます。少し美術をやっていた関係で、弥富中学校の30周年記念の時に作品をつくらせていただいた者です」
と、名刺を手に言われました。そこには「吉村壽夫」という名前が。
校長室へお通しし、いろいろな話をさせていただきました。弥富中を卒業後、大学で作品づくりを学び、多くの展覧会に出品しているまだ若い頃に、音楽室の西側にある少女像「独(たつ)」をつくられたそうです。中学校で学び次の進路へ進んでいく中で、子どもだった子たちもいつかは独立します。その「独」という一文字にあえて「たつ」とふりがなを付けた作品です。
今日、訪問された理由の一つに、作品の状態をみることもあったようです。屋外に展示してあるので、日差しや雨、風などでかなり傷むようです。ひとしきり話をうかがった後、そのモニュメントへご案内しました。すると小走りに近寄り、像の足元をなでながら、
「いい状態ですね」
「こんなしっかりしたボルトで止めてもらって」
と話される吉村さんは、とても優しいお顔でした。
「前の学校には大きなおみよしの松がありましたね」
「ありますよ、その子孫が」
と、そこにもご案内しました。
来賓玄関にある吉村さんのもうひとつの作品「RELATION-FE」と一緒にお見送りしました。近々、古希のお祝いの会で皆さんが集まられるそうです。楽しい思い出話の中に、きっと、今の弥富中の様子も伝えてくださると思います。