ようこそ先輩(4月13日)

午後、突然の来客がありました。
「実は、私はここの卒業生で、今年、古希を迎えます。少し美術をやっていた関係で、弥富中学校の30周年記念の時に作品をつくらせていただいた者です」
と、名刺を手に言われました。そこには「吉村壽夫」という名前が。
校長室へお通しし、いろいろな話をさせていただきました。弥富中を卒業後、大学で作品づくりを学び、多くの展覧会に出品しているまだ若い頃に、音楽室の西側にある少女像「独(たつ)」をつくられたそうです。中学校で学び次の進路へ進んでいく中で、子どもだった子たちもいつかは独立します。その「独」という一文字にあえて「たつ」とふりがなを付けた作品です。
今日、訪問された理由の一つに、作品の状態をみることもあったようです。屋外に展示してあるので、日差しや雨、風などでかなり傷むようです。ひとしきり話をうかがった後、そのモニュメントへご案内しました。すると小走りに近寄り、像の足元をなでながら、
「いい状態ですね」
「こんなしっかりしたボルトで止めてもらって」
と話される吉村さんは、とても優しいお顔でした。
「前の学校には大きなおみよしの松がありましたね」
「ありますよ、その子孫が」
と、そこにもご案内しました。

来賓玄関にある吉村さんのもうひとつの作品「RELATION-FE」と一緒にお見送りしました。近々、古希のお祝いの会で皆さんが集まられるそうです。楽しい思い出話の中に、きっと、今の弥富中の様子も伝えてくださると思います。

気持ちのよい言葉(4月13日)

朝、いつものように東の交差点で登校指導をしていました。
「おはようございます」
今年の重点目標であるあいさつがだいぶできるようになってきたように思います。そんなふうに多くの子が横断歩道を渡っていく中に、少し違和感を感じた子がいました。
「おはようござ…、あ、ちょっと待って。どうした、その靴」
その子は黒い靴をはいていました。
靴と言われて、足元を見て、
「あっ」
という声が漏れました。本人も言われるまで気づかなかったようです。
「間違えてはいてきちゃったんだね。ちゃんと自分から担任の先生に言うんだよ」
と伝えると、
「はい!」
と、いう返事が返ってきました。ここまでは、毎年4月には1年生を中心によくあるやり取りです。でも、今日は、この後の言葉が違っていました。
「教えてくれて、ありがとうございました」
そんな言葉が返ってきたのです。
 
そのことがうれしくて職員室にいた先生たちに話すと、
「すごいですね」
と同じように感心した様子でした。ミスや失敗は誰にでもあります。でも、それを周りにいる人から教えてもらった時に、とっさにこんな言葉が言える子って素敵ですね。