伝わった「命」(2月20日)

「命」をテーマに取り組んできた、今年の道徳の授業。読み物資料だけではなく、直接子どもたちに語りかけてくださる方をお招きし、言葉で、心で、「命」を感じる機会を設けてきました。
 
1学期=「かけがえのない命」
2学期=「輝く命」
3学期=「つながる命」
 
1学期に聴いた、中学1年生だった娘さんを交通事故で亡くした佐藤逸代さんの話を聴き、感じたことを綴った作文「命の尊さを考えて」が、警察庁が主催する「命の大切さを学ぶ教室全国作文コンクール」で賞をいただきました。その伝達式の様子が今朝の中日新聞に載りました。
同じ話を聴いても、感じ方は人それぞれ。そして、その後の自分の生き方にそれがどう影響するかも人それぞれです。でも、つらい過去を絞り出すように語ってくださった佐藤さんの話がこのような形で子どもたちに届いたことは、その思いが伝わったことの証だと思います。

決断!命の一滴(2月19日)

「白血病」
今、この言葉を耳にしない日はありません。水泳の池江選手が、自らその病気にかかっていることを公表してから、連日、テレビや新聞、インターネットでそのことが報じられ、その治療法としての骨髄移植のことも詳しく知るようになりました。
 しかし、骨髄移植を希望する人と、それを提供する人をつなぐ「骨髄バンク」が日本に誕生したのは、今からわずか30年前だということを知っている人はいません。
 
今日は、その骨髄を、家族以外の人に初めて提供した田中重勝さんをお招きしてお話をうかがいました。
1時間目は、その田中さんが主人公として取り上げられている道徳の資料「明日をひらく」(東京書籍)をもとに、それぞれの教室で考えました。まず骨髄移植のおおよそを知ったところで、「骨髄を提供するか、しないか」と問いかけました。子どもたちは迷いました。提供したい、でも怖い、そんな気持ちが心の中で渦巻いていたようです。その後、資料を読み、田中さんの心の変化を考えました。
そして、そこから4時間後。その田中さんが子どもたちの前に立ち、その時の気持ちを語ってくださいました。骨髄バンクから電話がかかってきた時は、登録したことを忘れていたそうです。しかし、その話を二人のお子さんにし、
「お父さんは人の役に立つんだ」
と言った時のお子さんの顔が忘れられず、日本で初めて、顔も名前も分からない“他人”への提供に踏み切ったそうです。
子どもたちはそんな田中さんの話を真剣なまなざしで聞いていました。田中さんの迷い、田中さんの決断、そして救われた命。
最後に、子どもたちの中から、
「どうして提供しようと思ったのですか」
という質問に、
「同じ命だからです」
と柔和な表情で答えてくださいました。

避難訓練(2月18日)

3時間目の授業を終え、多くの子が4時間目のために移動したり廊下で友だちとおしゃべりをしたりしていた時でした。
「リリリリリリ!」
という音が校内に鳴り響きました。一瞬、何の音なのか、何が起きたのか分からず、友だちと顔を見合わせる子、きょろきょろする子。でも、ほとんどの子はその異常さに気づき、その場にしゃがみました。表情はとても不安げです。
「火災発生状況を確認しています。その場で静かに待機し、次の指示を待ってください」
そこで初めて火災だということを理解しました。しかし、まだ動けません。その発生場所が分からないからです。
「コンピュータ室で火災が発生しました。昇降口は使えません。安全に運動場へ避難してください」
コンピュータ室のすぐ横に昇降口があるので、いつも使っている避難経路が使えません。いつもの感覚で昇降口に来た子がいましたが、
「ここは火元から近いから使えないよ」
と帰しました。子どもたちの近くにいた先生が、中庭や1階の3年生の教室へ誘導し、運動場へ出しました。3階からは1年生が非常階段を使っています。
 
6分20秒。全員が運動場南側に無事避難しました。
・まず、自分の命を自分で守る
・どこで何が起きたのか、その情報を聞く
・安全な経路で避難する
今年3回目の避難訓練は、そんなとっさの行動がとることができるか、子どもたちはもちろん、教職員にも伝えずに行いました。
 
教室に戻り、阪神淡路大震災を大阪で経験した教員の体験談を聞き、今日の訓練を振り返りました。

朝礼(2月18日)

二人の子が作文で表彰を受けたことから、こんな話を朝礼でしました。

愛知県中学選抜軟式野球交流大会ベスト4進出!(2月17日)

部活動での子どもたちのがんばりは、学校内のそれに匹敵するくらいたくさんあります。日々の練習はもちろん、さまざまな大会での活躍など、そのすべてをお伝えしたいくらいです。しかし、そのすべてに応援に行くことも難しいため、ホームページでの紹介は、中小体連を中心に行ってきました。文化部についてはそれに準じたものを取り上げてきました。しかし、それはこちらが決めた線引きであって、子どもたちにとっては連盟や協会の大会も同じで全力でそれに臨んでいます。
  
今日は、あえてその大会を紹介したいと思います。なぜかというと、二日続けて、心揺さぶられる試合をしてくれたからです。その大会は「愛知県中学選抜軟式野球交流大会」というもので、中学校だけではなくクラブチームも出場するもので、それゆえにレベルも高い大会です。その大会に西尾張地区代表として弥富中が出場しています。
昨日の1回戦。相手は三河の西尾中です。終始押し気味でしたがあと一本が出ず、7回を終えた時点で0対0で特別ルールへ。特別ルールとは、ノーアウト満塁から攻撃をするというものです。先行の弥富中は得点を奪えず、絶対絶命のピンチ。しかし、相手のランナーを刺すなど落ち着いたプレーで無得点に抑えます。特別ルールでも決着がつかない時は抽選だそうです。9人がそれぞれ封筒を引き、その中に「◯」が付いているものの数で勝敗を決めます。審判の声に耳を澄ませました。
「6対3」
その瞬間、弥富中の子の腕が高々と挙がりました!
 
そんな勝利から一夜明けた今日は、会場を刈谷球場に移しての準々決勝です。相手は藤岡クラブ。今年、多くの制約を受けている部活動とは違うクラブチームです。
相手は二人のピッチャーを擁する好チーム。しかし、弥富中も3人のタイプの違うピッチャーをつないで勝ち上がり、投手力では引けを取りません。行き詰まる投手戦は、またも特別ルールへ。
今日は弥富中は後攻です。昨日と同じように塁上のランナーを刺し得点を与えませんでした。そして、弥富中の攻撃。フライが二つ続き、誰もが「また抽選か」と頭をよぎったその時、8番バッターの蒔田くんのバットがボールを捕えました!そして、そのボールはレフトが必死に伸ばしたグラブの上を越えました!サヨナラヒット!サードランナーが踊るようにホームベースを踏み、ベンチから仲間が総出で蒔田くんを迎えます。
多くの制約の中で、一人一人が意識を高くもって練習に臨み、相手に一点も与えることなく守りきった勝利です。そして、昨日に続いての全員野球での勝利でした。
スタンドで応援をしてくださった方々が一人もいなくなり、スコアボートのチーム表示も消えたても、チームみんなが手分けして、グランド整備やベンチの掃きそうじをしていた弥富中野球部の子たち。最後にベンチ前に整列し、
「ありがとうございました!」
 
来週、準決勝、そして決勝戦に臨みます。