広島研修1日目③(11月8日)

ずっと緊張感をもって過ごした子どもたちがいつもの活発な様子に戻ったのは夕食の時間でした。お昼がしげるちゃん弁当だったこともあり、
「おなかすいたぁ」
を連発していた子たちは、「いただきます」の声とともに食べるわ食べるわ。しまいには厨房の方から、
「すみません。今、ご飯を炊いてます」
とおわびいただくほどでした。お腹いっぱい食べられる子どもたちは幸せです。
 
食事をとった後は、今日の最後の活動、被曝ピアノの演奏と歌です。爆心地から1.8kmで被曝したピアノ。そこには無数のガラスが刺さっていました。しかし、そのピアノを引き取り当時の材料で修理する活動をしてみえる調律師さんと出会い、再び優しい音色を奏でるようになったといいます。その音で歌を聴かせていただいた後、今度はそのピアノを弾かせていただき、「HEIWAの鐘」を歌わせていただきました。真ん中の画像をクリックしてください。
昼間、原爆ドームに向かって歌った曲と同じですが、昼間はどことなくもの悲しさを感じましたが、被曝ピアノと一緒に歌った夜は力強さを感じました。これは復興から立ち直っていく広島のエネルギーがそうさせたのかもしれません。そんな子どもたちは入浴を済ませ、まもなく眠りにつきます。遠い広島の地で、どんな夢を見るのでしょうか?
おやすみなさい。

福祉実践教室(11月8日)

 2年生が広島で研修をしているとき、1年生は校内で身の回りで生活している障がいやハンディキャップをもった様々な人を理解するための学習を行いました。
 午前は「認知症サポーター養成講座」を行いました。海南病院から講師の先生をお招きしました。弥富市内には、平成30年1664人の認知症(予備軍を含む)患者がいると推計されているそうです。認知症について正しい知識を教わり、認知症の人に対して、どんな対応の仕方がよいのかを学びました。認知症サポーター養成講座を受講した証としてオレンジ色のブレスレットをいただきました。

 

   

 

 午後は、弥富市社会福祉協議会の協力を得て「福祉実践教室」を行いました。開講式のあと、「手話」「高齢者疑似体験」「点訳」「車椅子」「視覚障害者ガイドヘルプ」「音訳」と6つの会場に分かれて、体験を通して勉強しました。どの講座も一人一人の真剣な眼差しが見られました。最後にお礼として学年合唱「永遠のキャンパス」を送りました。講師の先生方から受講態度や学年合唱についてもお褒めの言葉をいただきました。

 

   

 

         

          

     

              

  誰もが認知症になったり障がいやハンディキャプをもったりする可能性があります。認知症の人もそうでない人も、障がいのある人もない人も、みんなが笑顔で毎日を送ることができる共生社会をめざして、まず偏見をもたないこと、そして出会ったときには手助けが必要かどうかを聞いて、必要な手助けが当たり前にできる大人になってほしいと願っています。

広島研修1日目②(11月8日)

広島平和記念公園に着いた子どもたちは、まず原爆ドームを正面に見る元安川のほとりに歩を進めました。被曝のシンボル的存在の原爆ドームに歌を捧げるためです。これまで写真やインターネット上でしか見たことのなかったそれはとても大きく子どもたちに迫りました。だからこそ、その鉄骨がむき出しとなった姿が痛々しさや戦争の悲惨さを訴えていました。
その原爆ドームにずっと練習をしてきた「HEIWAの鐘」を捧げます。(原爆ドームの写真をクリックすると合唱をお聞きいただけます)
今日の平和記念公園は大勢の人たちが訪れ、あちらこちらからさまざまな声が聞こえていました。しかし、動画をご覧いただいても分かるように、それはしたいななくなり、歩いていた人も立ち止まって聴き入ってくださっているのが分かります。そして、歌い上げたその瞬間、拍手が子どもたちを優しく包みました。
その後、ガイドボランティアの方々にいろいろな場所を案内していただきました。そこで聞くこと、そこで目にするものは、私たちの知らないことばかりでした。でも、子どもたちはそれにまっすぐ向き合い、心に刻み込んでいました。(こちらも写真をクリックするとスライドショーでご覧いただけます)

広島研修1日目①(11月8日)


2年生の子どもたちを乗せた新幹線は定刻に広島に着きました。ここ数年で建て替えた広島駅は、
「思っていた広島のイメージと違うでしょ」
と言われるほどきれいな街でした。
そこから平和記念公園へ向かうバスの中で「しげるちゃん弁当」をいただきました。しげるちゃん弁当とは、被災地から見つかった真っ黒に焦げた弁当箱の持ち主、折免滋(おりめん しげる)くん、(当時中学1年生)のお弁当を再現したと言われるものです。食べ盛りの現代の子どもたちには物足りない量、味ですが、少しでも当時の様子を感じてほしいという思いで、ずっとこの広島研修1日目のお弁当として体験しています。
「おいしいじゃん」
という声も聞かれましたが、おそらく、今風に味付けもしてあるからだと思いますが、あっという間に食べてしまう量でした。(子ともたちがお腹を空かせてはいけないという配慮で、おにぎりを1個加えてあります)
そして、子どもたちは1日目の目的地、広島平和記念公園へ向かいました。

あと1日(11月7日)


「あと1日」
そんな文字がありました。2年生の広島研修がいよいよ明日に迫ってきました。
MR前にあるホワイトボードに作文が拡大され貼ってありました。それは昨年度の平和祈念式典で読まれた小学生の子の作文でした。題は「平和への誓い」。中ほどにこんな言葉がありました。

平和を考える場所、広島
平和を誓う場所、広島
未来を考えるスタートの場所、広島

とかく私たちは、「広島」というと「原爆が落とされた場所」という過去の事実を結びつけてしまいます。しかし、この小学生が言うように、そうした過去を知り学ぶことで、「これから」を考える場所なんですね。
明日、いよいよその他に足を踏み入れる2年生。そこで何を感じてくれるでしょうか?とても楽しみです。