家庭科室へ行ってみると、皆、黙々と手を動かしていました。ある子はダンボールをはさみで切り、ある子は針で縫い物をしていました。幼児への理解を深めるための「おもちゃ作り」です。一見、小学校の工作のように見えますが、子どもたちの頭の中にあるのは、自分ではなく幼児です。自分自身の弟や妹を思い浮かべている子もいるでしょう。去年の職場体験学習で保育所へ行った子はそこで一緒に遊んだ子を思い出しているかもしれません。「あの子なら、きっと喜ぶだろうな」と。
自分のためではなく、他の誰かのことに思いをはせながらいろいろ工夫し形にしていく、どの子もとても穏やかな表情をしていました。