発想に脱帽(7月14日)

小学校では「図画工作」。それが中学校になると「美術」と名前が変わります。単に名称が変わっただけではない、ということを今日のぞいた授業で実感しました。
それは3時間目の1年生の教室でした。全員が机の上にスケッチブックを広げもくもくと絵筆を走らせています。
「すごい集中力だね」
担当の先生も思わずそう言うほどの空気がそこにはありました。取り組んでいたのは「文字のデザイン」という題材です。イメージや伝えたい内容が相手にわかりやすく印象に残るよう、形や色彩、構成を考え、工夫して文字をデザインします。昔からまねをすることは得意だった日本人が、もっとも苦手とする分野です。
まず元となる漢字を決めます。そして、それの正しい字形を明朝体で書きます。ここでレタリングという手法が必要になります。小学校ではあまり教えない内容で、これを身に付けることで、ポスターなどのできばえが格段によくなります。
そして、それをもとにデザイン化していくわけですが、ここからが子どもたちの発想力の見せどころです。上の写真の子は「雨」という文字を傘とカラフルな長靴でデザインしました。うっとうしい雨も、これなら楽しそうですね。右の子は、「泡」という漢字をモコモコの泡と押すと泡の出る容器で表現しました。すごいですね、子どもたちの発想力・表現力は。日本人がデザインを苦手だった時代は、もう遠い過去かもしれません。